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3年生2人で挑んだ松山北、バス11台の応援に勝利で応えられず総体後に引退した3年生の分まで戦った松山北MF稲井雄大

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総体後に引退した3年生の分まで戦った松山北MF稲井雄大
[1.2 全国高校選手権2回戦 遠野高2-0松山北高 フクアリ]

 夏に引退した仲間たちの思いも背負って戦った。公立の進学校である松山北高(愛媛)は例年、夏の総体後に3年生の多くが引退。今年のチームも選手権まで残った3年生はMF稲井雄大とFW串部太一の2人だけだった。

「総体の県予選で決勝まで行って、延長で勝ち越したのに追いつかれてPK戦で負けた。こんな形で高校サッカーが終わるのは嫌だった。絶対に選手権で借りを返そうと思った」。総体後もサッカー部に残った稲井はゲームキャプテンとしてチームを牽引。2年ぶり5回目の全国選手権出場に導いたが、全国での1勝は遠かった。

「全国に出て、(総体の)借りは返せたけど、全国で1勝するのと初戦敗退は全然違う」。選手権の県予選前には、引退した3年生から全員で寄せ書きしたTシャツが稲井と串部の2人に贈られていた。「勝って恩返しがしたかったし、申し訳ない」。全国に出るだけで満足するわけにはいかなかった。

 この日はサッカー部の応援のため、松山からバス11台で約250人の“応援団”も駆け付けた。渡部晃久監督が「あの応援で普段の3倍ぐらいの力をもらって、走らせてもらった」と感謝したスタンドの後押し。しかし、勝利で応えることはできなかった。

「自分もチャンスがあって、決め切れなかった。全国の舞台は県予選とは雰囲気が違った」。そう唇をかむ稲井は「愛媛県の代表としてピッチに立たせてもらった。その思いも背負いながら、この悔しさを生かしてほしい」と、ともに戦った後輩たちへエールを送った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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【特設】高校選手権2016

PK戦で明暗…前橋育英が市立船橋の夏冬連覇を阻む(8枚)前橋育英の最終ラインを支えたDF松田陸(2年)

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前橋育英の最終ラインを支えたDF松田陸(2年)
[1.2 全国高校選手権2回戦 市立船橋高0-0(PK3-5)前橋育英高 フクアリ]

 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、フクダ電子アリーナの第1試合では市立船橋高(千葉)と前橋育英高(群馬)が対戦し、0-0からのPK戦を5-3で制した前橋育英が3回戦に駒を進めた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

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【特設】高校選手権2016

MF梅本の決勝弾で一条高が初の3回戦進出!山形中央高は反撃実らず2回戦で散る(8枚)スルーパスに走り込んだMF梅本耕平(3年)が決勝点を叩き込んだ

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スルーパスに走り込んだMF梅本耕平(3年)が決勝点を叩き込んだ
[1.2 全国高校選手権2回戦 山形中央高0-1一条高 西が丘]

 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、味の素フィールド西が丘の第1試合では3年ぶり7回目の出場となる一条高(奈良)が4年ぶり11回目の出場となる山形中央高(山形)に1ー0で勝利した。一条は3日に行われる3回戦で佐野日大高(栃木)と激突する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

[MOM2021]創造学園DF森昂大(2年)_ラストワンプレーで同点ヘッド! 劇的勝利の立役者に終了間際の劇的ゴールで勝利を呼び込んだDF森昂大

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終了間際の劇的ゴールで勝利を呼び込んだDF森昂大
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 創造学園高1-1(PK4-2)広島皆実高 浦和駒場]

 相手は自陣に全員いたはずなのに、まるで時が止まったかのようにフリーだった。創造学園高(長野)の先発で唯一の2年生であるDF森昂大(2年)は、ラストワンプレーとなった場面で劇的な勝利へとつながる同点ゴールを決め、同校の歴史を塗り替えた。

 広島の名門を相手に前半16分に先制され、なかなか攻撃の形を作れないでいた創造学園。「皆実は9番(安原)に当たててから攻撃は始まるので、そこをつぶすように言われていました。前線の選手がうまくローテーションして、色々なところのスペースを突いてくるので、前半の最初の方は頭がこんがらがっていました」と、相手の攻撃に舌を巻いた。

 それでも、「前半は守備のやり方を共有できていなかったので、ハーフタイムにみんなで共有」すると、いい形でボールを奪えるようになり、そこから徐々に流れを引き寄せた。得点こそなかなか入らなかったが、不思議と焦りはなかった。そして、迎えた後半アディショナルタイム2分、パワープレーで前線に上がっていた180cmの森が右サイドからのクロスを頭で合わせ、1-1。直後に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

「セットプレーでは自分が決めたいという思いが強い。(終了間際の得点で)危ないなと思ったのと、素直にうれしかった」。大会レギュレーションにより、試合はそのままPK戦に突入。11年目のキッカーだったという森は、先輩たちのPKをハーフェーライン上から見守った。PKはGK矢野遥希(3年)が2本を止めたこともあり、見事4-2で劇的勝利をおさめた。

 勝沢勝監督が「勝因はGKを含めた守備陣の頑張り」と語ったように、先輩たちの中に入って、森も高さをいかした守備を武器に相手の攻撃を防ぎ続けた。さらに、その武器で決勝点を決め、同校の選手権初勝利に大きく貢献した。「9番にフィジカルで負けていたので、もっとフィジカルを鍛えないといけないと思いました」。勝利の一方で自分の弱さとも向き合う2年生DF。一つずつ課題をクリアし、貪欲に成長し続け、チームの守備の要として活躍し続けてみせる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 清水祐一)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

“壁”を乗り越えたのは遠野、松山北を下し岩手県勢9年ぶり初戦突破(8枚)前半32分に先制ヘッドを決めた遠野FW阿部亮太(2年)

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前半32分に先制ヘッドを決めた遠野FW阿部亮太(2年)
[1.2 全国高校選手権2回戦 遠野高2-0松山北高 フクアリ]
 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、フクダ電子アリーナの第2試合では遠野高(岩手)が松山北高(愛媛)を2-0で下した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

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【特設】高校選手権2016

東福岡の10番MF藤川が連覇へスタート、この1年の悔しさ晴らす大会に東福岡高の10番を背負うMF藤川虎太朗

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東福岡高の10番を背負うMF藤川虎太朗
[1.2 全国高校選手権2回戦 東福岡高1-0東邦高 等々力]

 “赤い彗星”の10番の逆襲がスタートした。東福岡高の10番を背負うMF藤川虎太朗(3年)は昨年度の全国大会準決勝、決勝で2試合連続ゴールを決めてチームの17年ぶりVに貢献している注目アタッカー。だが、負傷明けで万全のコンディションでなかった県予選ではポジションをMF田尻京太郎(3年)に譲り、交代出場のみという悔しい日々を送っていた。

 今年は夏の全国高校総体で初戦敗退。高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグWESTでもエースとして満足の行くパフォーマンスを行ったとは言い難い。その中で迎えた全国大会。「県予選出場機会がなかったので、悔しい思いをしたので、ここにぶつけたいというのがある」と語るMFは積極的にボールに絡み、中央からのパスでボールを散らし、チャンスメークした。

 特に後半はチームの攻撃の流れを好転させ、守備面含めてチームの勝利には貢献した。だが、PA付近で右足、左足を振り抜くシーンがあったものの公式記録上の自身のシュート数はゼロ。それだけに「前半は積極的にシュート打って行こうと思っていたんですけど……。シャドーなんで、点取って勝ちたいというのがあるので、しっかり点取って勝ちたいと思います」と今後の活躍を誓った。

 それでもチームが勝つことが何よりも重要だと考えている。「自分が点取って勝つことがベストだと思っているんですけど、まずはチームのために戦うことが大前提なのでその中で点が取れればいい」。鋭くDFの間に割って入る動きと得点感覚の高さを発揮した昨年の全国高校総体では2年生ながら得点王を獲得。中盤の選手だが、得点王を十分に狙うことのできるだけの得点センスの持ち主はここぞの場面で決めて、全国連覇を果たして、この1年の悔しさを晴らす。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

[MOM2022]東福岡DF小田逸稀(3年)_対戦相手から「ヤバイ」「プロで通用する」の声、鹿島内定SBが決勝アシスト鹿島内定の東福岡DF小田逸稀は決勝点をアシスト

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鹿島内定の東福岡DF小田逸稀は決勝点をアシスト
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 東福岡高1-0東邦高 等々力]

 東邦高の選手間では試合後、「小田クンやばい」という声が上がっていたのだという。前回王者・東福岡高相手に奮闘していたCB小出晴貴主将は来季の鹿島入りを決めている相手左SBについて「プロで通用する球際とか空中戦だったんじゃないかなと」とその力を賞賛していた。対戦相手を唸らせるほどのプレーを見せた東福岡DF小田逸稀(3年、鹿島内定)。“赤い彗星の爆走対空戦車”こと超攻撃的左SBが、チームを初戦突破へ導く活躍を見せた。

「チーム全体も入り硬い印象で、自分もそうだったんですけど。前線がゴール決められない展開だったんですけど、自分たちDFは焦れずに前線を信じてやるだけでした」という注目SBが0-0で迎えた後半にギアを上げる。 

 8分、左サイドから状況判断よくグラウンダーの鋭いクロスをファーサイドのMF 高江麗央(3年)に通して決定機を演出。そして16分にはMF鍬先祐弥(3年)とのワンツーで左サイドを突破する。エンドラインギリギリから「(ボールは)浮いていたんですけど、しっかりミートすることを意識して上げました」と左足を振り切ると、ボールはFW藤井一輝(3年)の頭を経由してゴールに突き刺さった。

 森重潤也監督も「とにかく先取点が欲しかったので(後半は)チーム全体として全員がアグレッシブに攻撃に行こうと話していた。その中で(小田)逸稀がそういうプレーをしたと思います」と評価した小田の積極性。これが堅い守りを見せていた東邦ゴールを破る力となった。

 後半、得意の攻撃面で試合を決める仕事をしてのけ、守備面でも1対1などでさすがの強さを発揮。無失点勝利を果たしたが、それでも本人は「まだ全然初戦だったんで硬くて。50点くらいだと思います」と自己評価だった。そして「空中戦とオーバーラップ、攻撃参加」をもっともっと見せたいのだという。

 身長173cmと決して長身ではないが、抜群のバネを活かした空中戦の強さは圧倒的だ。無名だった昨年度はその攻撃力と対人の強さによってブレイクする大会となったが、大会優秀選手には選出されず。「悔しかった」。今年は注目される中で連覇を果たし、自身も昨年以上にインパクトあるプレーをして、より高い評価を勝ち取ってプロの世界へ進む。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

FWとしての自覚と責任、決勝点の東福岡FW藤井「ここに立つ以上は義務を果たさないと」決勝点を決めた東福岡高FW藤井一輝

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決勝点を決めた東福岡高FW藤井一輝
[1.2 全国高校選手権2回戦 東福岡高1-0東邦高 等々力]

 FWとしての責任を果たした。東福岡高は後半16分に左SB小田逸稀(3年)がエンドラインギリギリの位置から上げたクロスをFW藤井一輝(3年)が頭で叩き込んで決勝点。チームの初戦突破に貢献した。

 4-5-1システムのCFを務める藤井はこの日、前半25分に決定的なヘディングシュートを枠外へ外すなど、納得の行かないパフォーマンスだった。チームは0-0で前半を終了。苦戦は自分の責任だと感じていた。

 後半立ち上がりもスコアを動かせない状況にベンチが動く。12分、この1年、藤井とポジションを争ってきた快足FW佐藤凌我(3年)投入の準備。藤井は自身がピッチを去るのだと「思っていました」という。だが、森重潤也監督は藤井をピッチに残し、佐藤を右サイドに置いてチャンスの数を増やすことを選択。そして4分後、「そこで使い続けてくれた監督はじめスタッフの皆さんには感謝しています」と語る藤井が渾身ヘッドで東邦ゴールをこじ開けた。

 高い壁となっていた東邦DF陣の前に強引に入り込んでニアで合わせたヘディング弾。「身体で入れるくらいの気持ちでそれが良かった。相手が前に入ってきて、それより前に入っていかないと取れないと思ったので、後ろに引くよりは相手よりも前に身体を出してボールを触ることだけを意識していました」。FWとしての役割を果たした藤井は25分に交代して試合後もホッとした表情を見せていた。

 学業にも手を抜くことなく、部員300人超の東福岡のレギュラーを張りながら、毎日可能な限り勉強を行ってきた。そして指定校推薦によって難関・同志社大ヘの進学を決定。自身の学力を維持する目的で選手権後はセンター試験も受験するのだという。だが、勉強とサッカーの両立を目指してきたFWは今、仲間とともに最高の形で選手権を終えることだけを考えている。そのために必要なのは自身のゴールだ。

「FWとして点を決める仕事をしないとこのチームで試合に出る意味がないし、300人という部員を代表して出ているので。(応援の選手たちはシュートを)外した時も声出して自分を励ましてくれた。ここ(ピッチ)に立つ以上は出る義務を果たさないといけない」

 まだ1勝。「次は自分がもっと早い段階で点取ってチームを楽にできるようにしたい」と誓うFWが鹿児島城西高との3回戦でも必ずゴールを決める。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

ドンピシャストップで勝利に大貢献!鹿児島城西GK泉森が、PK戦1人目を横っ飛びセーブ(8枚)GK泉森涼太(2年)が、PK戦で勝利呼び込むスーパーセーブ

[1月3日 今日のバースデー]

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Japan
FWネイツ・ペチュニク(大宮、1986、スロベニア)*当たり負けしない体格に確かな技術を備えるスロベニア代表FW。
FW柿谷曜一朗(C大阪、1990)*ボールを止める技術が高く、ボディーバランスも良いFW。ドリブルも得意。
DF今瀬淳也(水戸、1993)*パワーとスピードを兼ね備える大型CB。
GK田中勘太(仙台、1998)*仙台ユース出身。びわこ成蹊スポーツ大に進学した今季は特別指定選手として登録されている。

World
DFジョニー・エバンス(WBA、1988、北アイルランド)*クレバーでユーティリティー性も高いDF。
GKジョルディ・マシップ(バルセロナ、1989、スペイン)*反射神経を生かしたシュートストップが武器。

Former
FWルーカス(元F東京ほか、1979、ブラジル)*13年シーズン限りで現役引退をした、サポーターから愛されたFW。

Others
道場 六三郎(料理人、1931)
小堺 一機(タレント、1956)
柳葉 敏郎(俳優、1961)
ミハエル・シューマッハ(F1ドライバー、1969)
内村 航平(体操、1989)
梅田 彩佳(元AKB48:タレント、1989)

鹿児島城西のU-17代表CB生駒、若きディフェンスリーダーが連続ピンチをオールクリア!(8枚)攻撃力に定評がある長崎総科大附を抑え続けた、U-17代表CB生駒仁(2年)

仲間を信じて初戦欠場の鹿児島城西CB田實、184cmの壁がロングボール封鎖(4枚)184cmのCB田實康人(3年)は、185cmのCB生駒とともに鹿児島城西の2枚壁として君臨

鹿児島城西が全力死守!幾度と襲い掛かるピンチを防ぎ切り、無失点でPK戦勝利(20枚)前半19分、MF津留優晴(2年)は、2人のマークをドリブルで置き去りにする

鹿児島城西対長崎総科大附の九州勢対決はPK戦で決着、歓喜と涙と・・・・・・(8枚)PK戦を制し、歓喜する鹿児島城西

「大当たりだった」 正智深谷FW上原、1回戦ベンチ外の悔しさバネに決勝PK獲得途中出場で流れを変えたFW上原翔汰

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途中出場で流れを変えたFW上原翔汰
[1.2 全国高校選手権2回戦 関東一高1-2正智深谷高 浦和駒場]

 1回戦はベンチ外だった。それでも巡ってきたチャンスで劇的勝利を呼び込むPKを獲得し、指揮官に「大成功だった。彼をベンチに入れて、使ったことは大当たりだった」と言わせてみせた。

 FW上原翔汰(3年)は、県予選で2試合に出場したがいずれも途中出場だったという。本大会の30人の登録メンバーには入ったものの、1回戦は先発を含めた20人の枠に入らず、まさかのベンチ外。「悔しかった。やっぱり結果を残していかないといけないので、チャンスがあったら全力でやろうと心掛けていました」。それでも、チームが3度目の正直で初戦突破を決めると、次の試合で出場のチャンスが訪れた。2回戦のメンバー入りを果たしたのだ。

 その意図を小島時知監督は、「(開幕戦で関東一高と対戦した)野洲があれだけの攻撃をしていて、点が取れなかったのは、守備がかなり良いだろうと思いました。そうすると、セットプレーとかヘディングが鍵になると思いましたが、うちはヘディングが強い選手が前線にいないので、上原を入れてヘディングで起点を作ろうと思いました」と説明し、本人に「チームが行き詰ったときはお前のヘディングに頼るときがあるから準備しておけ」と伝えていたという。

 ベンチスタートとなったが、ベンチから「失点してからの退場で流れが悪かった。10人ですけど、団結すれば逆転できると思ってしました。声が良く出ていたので。雰囲気は良かった」と思っていた。そして、1点ビハインドの後半24分に「走って点を取ってこい」と監督に言われて、ピッチに入った。すると、正智深谷は前線でボールがおさまるようになり、攻撃にリズムが生まれた。

 迎えた後半39分、セットプレーからの混戦をDF金子悠野(3年)が右足で押し込み、ついに同点に追いつく。さらにホームの大歓声を受ける正智深谷が一気に畳み掛けた。後半アディショナルタイム2分、右サイドのクロスをFW梶谷政仁(2年)がヘッドで落とし、上原が放った右足ボレーシュートが相手の手に当たってPKを獲得。これをキャプテンのMF小山開喜(3年)がしっかりゴール右に沈めて、勝負あり。2-1で逆転勝利をおさめた正智深谷が3回戦に駒を進めた。

「自分のできることはやったと思う」と胸を張る上原。3回戦でのベンチ入りが確約されたわけではないが、創造学園高戦に向けて「次も一致団結して勝ちたい」と、あくまでチームの勝利が優勢と言い切った。悔しい気持ちが人を成長させる。今度、出番が回ってきたときは、チームを自身の得点で勝利に導いてみせる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 清水祐一)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

「ピッチの上では絶対に泣かない」長崎総科大附の注目MF薬真寺主将は前を向いて高校サッカーから卒業チームメートを慰める長崎総合科学大附高MF薬真寺孝弥主将(左)

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チームメートを慰める長崎総合科学大附高MF薬真寺孝弥主将(左)
[1.2 全国高校選手権2回戦 鹿児島城西高0-0(PK4-2)長崎総合科学大附高 等々力]

 ピッチの上で涙は見せなかった。前評判高かった長崎総合科学大附高(長崎)は桐光学園高(神奈川)との注目対決を突破して迎えた2回戦でPK戦敗退。注目10番MF薬真寺孝弥主将はその瞬間について「悔しい気持ちだった」と振り返ったが、ピッチ上でも、試合後のミックスゾーンでも気丈な振る舞いを貫いていた。

「もっと上に行きたかったですけど、ピッチの上では絶対に泣かないですし、キャプテンの自分が泣いたらいけないと思ったので、他のみんなを慰めていました。(この3年間で)全てにおいて成長したんじゃないかなと思うんですけど、勝負に勝てなかった。大学行って目標はもちろんプロなんで、この悔しさをプロの舞台で晴らしたい」

 国見高(長崎)に数々のタイトルをもたらしてきた小嶺忠敏監督も「少なくてももう1試合戦わせてあげたかった。そのくらい、できるチームだった」と評するチーム。プリンスリーグ九州で無敗Vを成し遂げた実力はもちろん、薬真寺を中心に人間性も評価された好チームだった。

 だが、その強豪もこの日は守りを固める鹿児島城西高(鹿児島)のゴールを破ることができない。相手MFにマンマークにつかれた薬真寺はシュートへ持ち込むシーンもあったが、それでもコンビネーションがわずかに噛み合わずに思い通りプレーをすることができなかった。「自分が周りに合わせることも大事っていうことが、この試合で学べました」。また、U-17日本代表FW安藤瑞季(2年)が強引にPAへ潜り込み、また快足FW右田翔(3年)が右サイドでDF2人をかわしてクロスを上げるようなシーンもあったが、最後まで得点に結びつけることができず。PK戦で敗れたチームは泣き崩れた。

 特にPK戦1人目で失敗したエースFWの安藤らはチームバスへ向かう通路でも涙が止まらず、仲間の手を借りなければ前に進めないほど。ただ薬真寺は「誰を責めるとかはない」と語り、一緒に成長してきた仲間たちに向けて「みんなに感謝したいです」と前を向いた。

 そして、ともに地元・大分から長崎へ渡ってプレーしてきた後輩FW安藤へ向けては「外したのは結果論。オレと(安藤)瑞季が一緒にサッカーするのは最後になるかもしれないですけど、瑞季は来年あるんで、自分よりももっと引っ張れる選手になってほしいというのは思います。本当に悔しかったと思うので、もっとバケモンになってもらいたい」とエールを送った。

 リベロ、ボランチ、トップ下と各ポジションで才能を発揮してきた注目MF薬真寺は大学サッカーで次の挑戦をスタートする。99年の早生まれで今年発足するU-18日本代表メンバー入りも有力視されるMFは、悔しさを糧にしてこれからさらに力を磨き、プロ、そして日本を代表する選手へと成長する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

[MOM2023]佐野日大GK中村一貴(3年)_ビッグセーブ連発!劇勝呼び込んだ“栃木のブラボ”勝利の立役者になったGK中村一貴(3年)

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勝利の立役者になったGK中村一貴(3年)
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北高0-1佐野日大高 西が丘]

 当たっていた。ピッチ上で最も輝いたのは佐野日大高(栃木)のGK中村一貴(3年)だった。集中力を切らさず、80分間を通してビッグセーブを連発。米子北高の猛攻からゴールを死守し、劇的勝利の立役者となった。

 前半15分だ。PA内左からFW崎山誉斗(3年)に蹴り込まれた至近距離のシュートに好反応。決定的な一撃を右手で弾き出し、窮地を救った。「正直全く覚えてない。反射的に体が動いた」という抜群の反射神経から生まれたプレー。「前半は11番(伊藤龍生)を抑えてセカンドボールを確実に拾おうという意識だった。後半もゼロで抑えれば必ずチャンスはくると思った。狙い通りですね」。“神セーブ”が流れを引き寄せ、押し込まれた前半を無失点に抑えた。

 猛攻にさらされた試合終了間際にもファインセーブを連発。後半31分には滞空時間の長いジャンプでハイボールを処理し、両手を伸ばして弾き出した。落ち着いたシュートキャッチを連発すれば、思い切りの良い飛び出しからのセーブも披露。34分には猛進してきた相手選手と接触。左目まぶたを腫らしながら、最後までゴールマウスを守り抜いた。

「身長が低い分、ジャンプ力とか反射神経が強みなので、ハイボールにはどんどん出ていこうと思って、前半から出ていった。キャッチをしたり、弾いたりする判断も今日はできていたのかなと思う」

 身長は176cm。サイズを補うために、筋トレでジャンプ力を強化。GKコーチが練習に顔を出すのは月に数回のみ。恵まれた練習環境ではないかもしれないが、自分たちで練習メニューを考え、試合の反省を生かしたトレーニングを取り入れている。

「たくましく成長してくれた。自分でトレーニングをしたり、後輩のGKを指導したりしてくれる」。海老沼秀樹監督は殊勲のGKの日頃からの姿勢に目を細め、「失敗しても前向きで、勇気を持って前に出られる」と選手としての魅力を語った。

 今夏、チームには崩壊の危機もあった。「守備から入るサッカー」を掲げる指揮官と「攻撃から入りたい」選手たちで意見が合わず、雰囲気が悪くなりかけていたのだという。今季は新人戦、関東大会予選と優勝を逃し、夏の総体予選も準決勝で矢板中央高に完敗(0-3)。話し合いを重ね、選手権予選からは「監督の言う、守備から入るサッカーをみんなが意識した」。ひとつになったチームが“全員守備”を徹底し、全国高校総体8強の米子北を撃破した。

 2試合連続の完封勝利。「県大会では自分が活躍する場面はなかった。全国の舞台で海老沼先生に恩返しできたらいいなと考えていた」と大舞台での活躍に胸を張る。目標とする選手はGKクラウディオ・ブラボ(マンチェスター・シティ)だ。「自分がゼロで抑えられたら負けることはない。後ろはゼロで抑えて前は点を取れるように、全員が守備から入って攻撃をして勝っていけたら」。3戦連続完封勝利へ、“栃木のブラボ”がゴールマウスに立ちはだかる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)
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【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

「勝つなら1-0かPK」前橋育英が“読みどおり”のPK戦で市船の夏冬連覇の夢打ち砕く前橋育英のゴールを守ったGK月田啓

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前橋育英のゴールを守ったGK月田啓
[1.2 全国高校選手権2回戦 市立船橋高0-0(PK3-5)前橋育英高 フクアリ]

 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、フクダ電子アリーナの第1試合では市立船橋高(千葉)と前橋育英高(群馬)が対戦し、0-0からのPK戦を5-3で制した前橋育英が3回戦に駒を進めた。全国高校総体を制し、同校初の夏冬連覇を目指した市立船橋だが、その夢は2回戦でついえた。前橋育英は明日3日の3回戦で遠野(岩手)と対戦する。

 関東の名門対決は立ち上がりから両チームの選手が球際で激しくぶつかり合う肉弾戦となった。「京都橘が引き過ぎていたので、これではダメだと思った。僕らはもっと前からプレスをかけようと」。市立船橋の1回戦・京都橘戦を見た前橋育英の山田耕介監督が選んだ戦術はハイプレス。夏の王者に対して一歩も引かず、高い位置からプレッシャーをかけて序盤のペースを握った。

 前半6分、出場停止明けで今大会初先発となったMF長澤昂輝(3年)が右足ミドルを放つと、同11分にはMF高沢颯(3年)がミドルシュート。しかし、市船もDF杉岡大暉主将(3年=湘南内定)、DF原輝綺(3年=新潟内定)の両センターバックにアンカーのMF金子大毅(3年)を加えた3人が中央を固め、PA内への進入を許さなかった。

 攻撃時には金子が最終ラインにまで落ちることでDF真瀬拓海(3年)、DF杉山弾斗(2年)の両サイドバックを高い位置に押し出し、中央からMF高宇洋(3年=G大阪内定)がゲームを組み立てる市立船橋。左ワイドのMF太田貴也(3年)が果敢なドリブル突破を見せるなどカウンター主体で前育ゴールに襲い掛かるが、最後の精度を欠き、決定機をつくるまでには至らなかった。

 前橋育英は前半31分、FW飯島陸(2年)が中央から右足でミドルシュート。ゴールマウスを捉えていたが、GK長谷川凌(2年)の好セーブに遭い、先制点とはならない。0-0で前半を折り返すと、後半開始からMF岩下航(3年)に代えてFW馬場拓哉(3年)を投入し、1回戦の明徳義塾戦(3-0)で途中出場から2ゴールを挙げたスーパーサブを早くもピッチに送り込んだ。

 ところが、後半に入ると、徐々に前橋育英のハイプレスも勢いが弱まり、足が止まり始める。押し返す市立船橋は後半9分、高がFW福元友哉(2年)とのワンツーでPA内に進入。右足を振り抜いたが、GK月田啓(3年)の体を張ったセーブに阻まれた。同22分には最初の交代カードを切り、太田に代えてMF野本幸太(3年)を投入。同26分、右サイドのスペースに飛び出したMF西羽拓(3年)がグラウンダーのクロスを入れると、DF松田陸(2年)のクリアがあわやオウンゴールになりかけたが、GK月田がかき出した。

 圧力を強めて押し込む市立船橋だが、1点が奪えない。後半28分、福元の右CKに原が打点の高いヘディングシュートで合わせるが、クロスバーの上へ。前橋育英は後半29分、長澤と高沢を下げ、MF田部井悠(2年)とMF田部井涼(2年)の田部井ツインズを投入。後半34分、西羽に代えてFW有田朱里(2年)を送り込んだ市立船橋は同36分に杉山の右FKからこぼれ球に原が詰めるが、またしてもGK月田が至近距離でビッグセーブを見せ、ゴールを死守した。

「勝つとしたら1-0かPKだろうと思っていた」。山田監督の予想どおり、試合は0-0のまま80分間で決着が付かず、PK戦に突入する。先攻の前橋育英は1人目のMF大塚諒主将(3年)が落ち着いて中央に決めたが、対する市立船橋は野本が左ポストに当てて失敗。その後は両チームともに全員が成功し、最後は前橋育英の5人目、馬場がゴール右に決め、勝負あった。

 PK5-3。市船の夏冬連覇の夢を打ち砕き、3大会連続となる3回戦進出を決めた前橋育英の山田監督は「ハーフタイムにDFラインを褒めた」と、守備陣の奮闘を手放しで称えた。後半は押し込まれる展開ながらゴール前でしっかり跳ね返し、「クロスを上げられることは予想していた。中のマークや視野の確保、体を張る部分がしっかりできていた」と、松田、DF角田涼太朗(2年)の両センターバックを評価。大塚も「厳しい戦いだったけど、DFラインが頑張ってくれて、勝利に導いてくれた」と感謝した。

 明徳義塾、市立船橋と連破し、明日3日の3回戦では遠野と対戦する。3年連続の8強、そして2年前の準優勝を超える悲願の初優勝へ、弾みを付ける勝利となったのは間違いない。「明徳と市船がヤマ場だと監督も言っていたし、自分もそう思っていた」。ホッと安堵の吐息を漏らす大塚だが、すぐに「ここで気を抜いたら次でやられる」と気持ちを切り替え、表情を引き締めた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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米子北は涙の2回戦敗退…GK中村ビッグセーブ連発の佐野日大が3回戦進出(8枚)米子北高(鳥取)が2回戦で姿を消した

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米子北高(鳥取)が2回戦で姿を消した
[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北高0-1佐野日大高 西が丘]

 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、味の素フィールド西が丘の第2試合では佐野日大高(栃木)が米子北高(鳥取)に1-0で勝利した。佐野日大は3日の3回戦で一条高(奈良)と激突する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)
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「10回やって1回勝てるか」指揮官嬉し涙!佐野日大が全国総体8強の米子北撃破!佐野日大高が総体8強の米子北を撃破し、3回戦に駒を進めた

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佐野日大高が総体8強の米子北を撃破し、3回戦に駒を進めた
[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北高0-1佐野日大高 西が丘]

 第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、味の素フィールド西が丘の第2試合では佐野日大高(栃木)が米子北高(鳥取)に1ー0で勝利した。佐野日大は3日に行われる3回戦で一条高(奈良)と激突する。

 全国高校総体8強の米子北がスピーディーな攻撃で流れを引き寄せた。後方からのロングフィードを180cmのストライカーFW伊藤龍生(3年)に当て、背後から飛び出したFW崎山誉斗(3年)がシュートを狙った。佐野日大は前半15分、PA内左から崎山に至近距離からシュートを打ち込まれたが、GK中村一貴(3年)が右手で弾き出すビッグセーブでゴールを死守。また、主将のDF福田一成(3年)を中心とした5バック、全員の粘り強い守備で相手の攻撃を跳ね返した。

 0ー0で前半を折り返すと、米子北は後半開始と同時に前半の4ー4ー2から3ー4ー3にシステムを変更した。後半開始と同時に投入されたMF小橋亮介(3年)はドリブル突破からチャンスメイク。後半18分には伊藤が胸トラップから力強くシュートを打つ個人技でゴールを脅かしたが、好調のGK中村が好反応を見せ、正面でキャッチされた。

「ボールを奪って、少ない本数でシュートにいけたらいいなというコンセプト」と佐野日大の海老沼秀樹監督。守備に重心を置く佐野日大はFW野澤陸(3年)とFW長崎達也(3年)の鋭いカウンター攻撃からワンチャンスを狙う。後半20分に途中交代でMF赤間虹都(3年)をピッチに送り込むと、23分、赤間は相手の背後を狙ってシュート性のクロスを前線に送る。ボールはDF古屋野雅希(3年)とDF井上聡(3年)に当たってコースが変わり、反応したGK中原創太(3年)も防ぎ切れず、ゴールネットに吸い込まれた。

 思わぬ形で先制点を献上してしまった米子北。1点を返そうと攻勢を強めると、28分、細かくパスをつなぎ、最後は崎山がゴール正面から至近距離で狙ったが、シュートはクロスバーを越える。39分には伊藤の強烈ミドルがクロスバーを直撃。終了間際はロングボールを蹴り込み、前線に人数をかけたパワープレーからゴールに襲いかかったが、最後まで堅守を崩せず。終盤もGK中村がファインセーブを連発し、集中力を切らさずにゴールマウスを守り抜いた。

「10回やって1回勝てるかどうか。でも同じ高校生なので、勝ちたい気持ちが勝ったほうが勝てると選手たちも信じてやってくれた」(海老沼監督)。強豪校の猛攻に耐え、“全員守備”で1点を守り抜いた佐野日大が1ー0で勝利。試合後、取材陣に囲まれた海老沼監督の声は震えていた。試合を通して放ったシュート数はわずか2本。これまで「守ることを嫌がっていた」選手たちが、泥臭く守り勝った勇姿に胸を打たれた。「勝つことよりも、選手たちの成長を感じられたのが嬉しい」。そう声を振り絞ると、嬉し涙が頬を伝った。指揮官の期待に応え、勢いに乗る佐野日大の快進撃は続く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)
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