![波崎高が公立校対決で逆転勝ちし、茨城県予選準々決勝進出。CB小島直也主将(4番)を中心に喜ぶ]()
[5.27 インターハイ茨城県予選5回戦 波崎高 2-1 牛久栄進高 高松緑地多目的G]
令和8年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技茨城県予選5回戦が行われ、
波崎高と
牛久栄進高との公立勢対決は波崎が2-1で逆転勝ち。波崎は6月3日の準々決勝で鹿島学園高と戦う。
先発11人は全て地元の公立中学出身。現在県3部リーグに所属する波崎が、県1部勢の牛久栄進を破って8強入りを果たした。主将のCB
小島直也(3年)は「嬉しい限りです。後ろの集中力だったり、前線の献身的な守備、前から追うっていう守備が勝利に繋がったと思います」とコメント。組み合わせが決まってから合言葉になっていたという「準々決勝で全国2位の鹿島学園と戦う」という目標を実現した。
試合は昨秋の選手権予選3位の牛久栄進ペースで進んだ。相手DF背後を狙った攻撃でセットプレーを獲得。MF
高田柚樹主将(3年)のロングスロー、左足のプレースキックはいずれも強力で波崎DF陣を苦しめていた。
牛久栄進のMF高田柚樹は左足の鋭いキックとロングスローで相手の脅威に
だが、波崎はGK
小林陽太(3年)が相手の決定的なシュートをファインセーブ。また、小島を中心に右SB石神桐矢(3年)、CB須之内陽斗(3年)、左SB大川優真(3年)の4バックが我慢強く凌いでいく。
また、アプローチの鋭い守備が印象的なMF
内藤圭佑(2年)とMF佐川徠雅(3年)のダブルボランチが運動量を増加。ボールを奪うと、非常にタイミング良く動き出すエースFW
斎藤陽空(3年)とFW棚井渚生(3年)の2トップが相手の背後を狙った。27分にはこぼれ球をMF高安恒太朗(3年)から右足シュート。守勢の展開の中、前線のスピードを活かして可能性のある攻撃も見せていた。
だが、牛久栄進は前半32分、高田の右CKからCB
伊藤圭祐(3年)が先制ヘッド。それでも、波崎は斎藤が見事なトラップからゴールに迫るなど攻め返す。相手CB原田瑠輝也(3年)のタックルに阻まれるなど同点に追いつくことはできなかったが、小島が「人は人で見て、来たところをしっかり跳ね返す。跳ね返した後のルーズボールをしっかり全員で反応していくっていうことを意識してやっていました」というように、守備陣がよく凌いで、ルーズボールにも反応して1点差のまま前半を終えた。
押し込む展開の中で相手ゴールをこじ開けた
その波崎は後半開始から切り札のFW
秋葉颯斗(2年)を投入。早速、秋葉が推進力のあるドリブルで流れを引き寄せると5分、エースのファインゴールで同点に追いついた。前線の斎藤が浮き球をそらすと、MF笹本惇平(3年)がPAへスルーパス。これで斎藤が抜け出し、左足シュートをネットに流し込んだ。
歓喜の波崎イレブン
さらに秋葉のポストプレーから笹本がスルーパスを狙うなど勝ち越し点を狙うと25分、右のMF青塚直(3年)のシュート性のボールがPAの秋葉の足下に入る。そして、間髪入れずに左足シュート。これが左隅に決まった。
後半25分、波崎は2年生FW秋葉颯斗が左足シュートを決めて逆転 切り札の秋葉の一撃に波崎イレブンが喜びを爆発させる
「0-1で負けていて、自分が逆転ゴールを決めたいと思っていました。気持ち良すぎて、チームメイトのところに走って行きました」という秋葉の一撃で逆転。牛久栄進も高田やスキルの高いMF伴心太朗(2年)、FW大内康輔(3年)らが相手のマークを外して反撃する。
それに対して波崎は左SB小川璃空(1年)やMF伊井慶汰(3年)を加えて運動量を維持。試合終盤、波崎は太田のロングスローやプレースキックを小島中心に跳ね返していく。後半40+4分、牛久栄進は太田の左CKをファーサイドの伊藤がヘディングシュート。ボールはゴールに向かったが、カバーしていた内藤が頭でクリアした。そのまま試合終了。波崎が準々決勝進出を決め、喜びを爆発させた。
波崎は2年生ボランチのMF内藤圭佑の守備も利いていた 逆転勝ちでベスト8進出。チームを支えたCB小島直也主将が歓喜の咆哮
波崎の小松崎智久監督は「リーグ戦やカップ戦を戦うごとにやっぱり成長してくれたなって、ほんとに私も感動しております」と選手たちを称える。新人戦でも県8強入りしているが、当時は県1部勢との戦いがなく、周囲からは“くじ運”という評価も。選手たちは「見返してやる」という思いも強かったようだ。
堅守と前線のスピードを活かした速攻で真価を発揮した。小松崎監督は「(今年のチームは仲が良く、)去年から出ている選手も結構いて、真面目でほんとに辛いこともやってくれる。(県1部勢の強豪に)勝たないと自分たちの歴史を変えられないよって話をして、3年生中心によう頑張ってくれたなと思います。このトーナメントが決まって、目標は鹿島学園とやる、やっぱり全国2位になったチームにどれだけ戦えるか、そこを超えることができるのかっていうところが生徒らの目標でした。県東部勢同士なので、何とか爪痕を残せればと思います」。小島は指揮官やスタッフ、先輩、常に聞く耳を持ってくれるというチームメイト、そして応援してくれた後輩たちへの感謝を口にした上で前を見据えていた。
「自惚れすぎずに、しっかり次に向けて準備していきたいなと思います。今日の栄進さんとの試合みたいに、守備は徹底する。ファーストで競る、セカンドを全員で拾いに行く。そこを徹底することと、ベンチからの声だったり、キャプテン中心の後ろからの声だったりを徹底すれば、今日みたいな試合にできるかなと思います。謙虚に自分たちのプレーをする。そこがやっぱ重要かなと思います。(見ている人たちには) 自分たちががむしゃらに、強いチームに食らいつく、っていう頑張っている姿を見せたいです」。波崎は2016年度の選手権予選でベスト8という結果も残しているが、今回は夏に存在感のある戦い。全国2位の鹿島学園戦でもピッチ内、ピッチ外からも声を掛け合いながら、強豪校に全力で食らいつく。
全国2位の鹿島学園戦でも最後まで諦めることなく戦う
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2026特集