
[5.6 プレミアリーグEAST第6節 市立船橋高 0-1 鹿島ユース 船橋市法典公園(グラスポ) 球技場]
4月29日のJ1第13節(対横浜FC)で、鹿島アントラーズのクラブ最年少記録となる16歳9か月14日でJ1デビュー。U17アジアカップ(4月)でも3得点と活躍した注目ストライカー、鹿島アントラーズユースFW吉田湊海(2年=FC多摩ジュニアユース出身)が決勝点を決めた。
この日の前半は、相手が自分に対して厳しく来なかったため、前向きなプレーを増加。前線から落ちてボールに係わり、サイドチェンジで局面を変えた。そして、ハーフウェーライン付近から右足の超ロングシュートを枠へ飛ばし、さらに右足ミドルも。得点することを強く意識した動きでチームを引っ張った。
「前回の試合(0-3東京Vユース)でシュートを多分打ってないと思うんですけど、今日はどんどんシュートを打って、チャンスがあれば点を決めたいというのがあったので、ペナ内ではどんどん足を振っていこうというのは意識していました」。0-0の前半21分には中央から右サイドへボールを展開し、ゴール前へ。MF小笠原央(1年)のシュートのこぼれ球に反応すると、左足シュートで先制点を挙げた。
「ヴェルディ戦はチームとしてもそうですし、個人としても何もできなかったゲームなので、自分は点を決めることだけ意識して、チームのために走ったり、守備で走ったりというのは意識していました。(今日の)相手の戦い方を見たら引いてくる感じだったので、セットプレーでも点を獲って自分たちの流れにしたかったので、そこで上手く自分の前にボールが来たので、振り向いてシュート。相手の股を通ったと思うんですけど、あそこに入って良かったですね」と微笑んだ。
昨年、1年生で10得点をマークし、プレミアリーグEAST得点王に輝いている吉田は今季2得点目だ。今季はU17アジアカップ出場のため開幕から2試合を欠場。今後もトップチーム帯同やU-17ワールドカップ出場によってライバルたちよりも出場試合が少なくなる可能性がある。
それでも、「チームのために点を獲り続けるというのは去年から変わらず行こうと思っているので、そこは頑張ってというか、点を獲っていきたいですね。去年10と言って10獲ったので、今年は15点行きます」と宣言。前半、鹿島ユースは攻守で市立船橋高(千葉)を圧倒したが、後半は相手に押し返される時間も多かった。吉田も自身のボールの受け方や判断力の部分を反省。そして、後半アディショナルタイムに死角から飛んできたボールを左足で合わせながら、ポストに当ててしまったことを特に悔しがっていた。
U17アジアカップは3得点をマークするなど中心選手の活躍。準々決勝で敗退したこと、また自身の課題を感じられたことはエネルギーになっているようだ。「3連覇が懸かっていて、優勝できなかったというのは悔しいんですけど、自分自身も成長だったり、まだ自分の足りないところがほんとに全部出た大会だったので、その大会を通して良かったというよりかは、出て、自分のダメなところが感じれたので、良かったかなと思います」。活躍したことよりも、いずれも得点できずに敗れたオーストラリア戦とサウジアラビア戦に目を向け、1人で決め切る力を高めること、また得点以外にやるべきことを追求する。
U17アジアカップ後にJ1デビュー。だが、満足感は全くなく、この舞台で活躍できる選手にならなければならないと考えている。「ほんとに1分ちょっとぐらいしかピッチに立つことはできなかったんですけど、その中で自分はもうこの中でずっとやりたいなというのは思ったし、ここで活躍できる選手になりたいなというのは思いました。ほんとにトップチームでも常にチャンスはある状態なので、まずは与えられた、今日だったらプレミアで結果を残さないとJリーグというか、トップチームに行くというのは難しいかなと思うので、与えられた時間だったり、チャンスや立場でしっかり結果を残していきたいなと思います」。そして、まず掲げたのは新たな記録更新だ。
「出れたことはいいんですけど、結果も大事だと思うので、次は誉のゴール記録というのを抜かしていきたいというのはあります」。ユースチームの2学年先輩で、現在トップチームのFW徳田誉は昨年、17歳6か月27日でJ1初ゴールを記録。そのためにもプレミアリーグやトップチームのトレーニングで成長を示し、アピールを続けていく。


前半21分、鹿島ユースFW吉田湊海が左足で先制ゴール


J1デビューを果たした注目株のゴールで鹿島ユースがリード
(取材・文 吉田太郎)
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